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高断熱・高気密工法といっても、いろいろな会社が、独自の呼び方をしているので、あまりピンとこない場合もあるでしょう。
この高気密という呼ばれ方で、へんな誤解を持っている人がいるらしく(プロと呼ばれる人達でさえ内容も理解もせずに語る人が多い)
直接、そう呼ばない場合もあるのです。だから、「断熱住宅の○○」とか、「健康住宅の○○」とか、「外断熱の○○」とか、
「○○工法」、など、カタログでも見ないとわからないようにしている場合もあります。(そうで無いのもあるが)
でも、この技術で作った家は、いままでの一般住宅と比べものにならないほど快適な家になるため、資本のある会社は、
モデルハウスで、宿泊体験を行っていたり、 また、ある会社の工法で作った人が感激して、ホームページを作ったり、
なかには、本を書いたりなんてこともあります。
なにかとても難しい工法のように思えますが、ようは、断熱をしっかりやって、隙間を少なくし、24時間換気の計画をして(24時間
換気は建築基準法で義務化された)暖房計画(冷房)を、するということで、やる気があれば私のように小さな工務店や、
個人の設計事務所でもできます。 最近は関東近辺でも、いろいろ知られてきたようで始める人も増えてきました。
でも今まで断熱材の入れ方さえ知らない人が始めたりもするので、どうやっていいか分からない場合、どこかの断熱工法を
取り入れることになります。
その中には、大きく分けて、フランチャイズ系とオープン工法系に分かれます
(大きな会社は独自で工法を作ったりそれをフランチャイズ化することも)
■ フランチャイズ系
フランチャイズ系の会社は、そのノウハウを工務店に教える代わりに、入会金、年会費や、独自のパネル代、独自部材代、などを
請求したり断熱サッシや、換気システムなどを指定し、自分の販売ルートに組み入れて、本部が利益をあげる仕組みになっています。
お金の請求の仕方は年会費を多くとるとか、パネルなどに値段をのせて年会費を低くしているとか、フランチャイズ各社まちまち
なのですが誰も作らなかったり、入会しなかったりだと利益がでません。
そこで、会員工務店以外にも色々な宣伝活動をします。(家作りの雑誌CMやラジオCM、本を書いて自画自賛するなど。
でもTVでCMをしているハウスメーカーほどお金はかけてないとは思う・・・。)
当然その宣伝代もなんらかの形で会員負担(お客様負担)になります。
でも、基本がわかると難しくないので、会員の囲込みや差別化のため独自に工法改良?を始めたり、他社の工法批判
(本当のことならいいのだが、中には滅茶苦茶なのもある)をする所もあります。
元々は、エアー廻し系やソーラー系のフランチャイズが、ビジネスとして成功したのが、きっかけなのでしょう。
そこに、北海道で始まった高断熱住宅の知識を取入れたり、北海道の会社がそのまま乗り込んできたり、
先発のまねをしながら独自に営業展開をかけたりと、なかなか分かりにくい世界になっています。
■ オープン工法系
オープン工法系は、本部が会員工務店からの利益をあてにせずに成り立っている工法という事になります。
各種団体や断熱材メーカーなどがその母体になっています。(私の入っている新住協やダウのSHSも、オープン工法系)
断熱材メーカーが母体の場合は、当然そのメーカーの販売促進の意味をもっています。マニュアルで、ほかの会社の断熱材は使えない
ことにはなりますが、他の製品の選定は、規定性能より優れていれば自由です。(換気システムや、断熱サッシなど、
資本が入って無いため、推奨、紹介はありますが、工法母体メーカーから買うことはありません。)また、年会費、登録料、
入会金などがあっても、そこでの資金はその団体の運営費程度です。
しかし、宣伝活動や、認知活動は、フランチャイズ系ほど必死になってやらないためほとんど知られていません。
(これらオープン工法系は、北海道や東北など早くから断熱工法に取り組んだ地区に会員が多く、認知されている所もある。)
また、細かい技術や知識は、フランチャイズ系ほど、親切丁寧に教えては、くれません。(かなり自主性が求めれる。
要するに、「やりたい人はやってもいいけど、細かいところは自分でおぼえてね。」という感じ)
こんな風に、業界のしくみが成り立っています。 「じゃーどっちで作った家のほうがいいの?」という声が聞こえてきそうですが、
それは、森の1番で書いてある通り、どちらかというと、工法より、工務店や設計事務所で判断した方がいいと思います・・・・・。
尚、ここで言う断熱工法は、フランチャイズ系でもオープン工法系でも省エネルギー機構で次世代認定を通った工法です。
認定を通った工法は金融公庫で250万円の割増し融資を書類提出で受けることが出来ます。
しかし地区区分により住宅の断熱レベルが異なるため、東京や高崎(W地区)で次世代省エネ対応住宅だといっても
軽井沢や嬬恋(U地区)の基準が通る工法や住宅か確認が必要です。また次世代レベルで充分か? という所もあります。
しかし、認定工法という形をとらなくとも、本当に知識や技術があれば、高性能な住宅はできます。
要は、作り手次第なのです。
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