□ 建築までの経緯
秋頃、Aさんから「話を伺いたい・・。」頃連絡があり当社訪問から始まった別荘新築工事でしたが、Aさん夫妻は当初、土地購入時に紹介された軽井沢の建築業者と話を進めようと思っていたそうです。
ですがAさんの子供さんが、ネットで当社のホームページを見て推薦してくれた事で、当社と比較して見ようと思ったとの事。
そのため、初回打ち合わせの日は土地を見た後に、当社での説明を受けてから、軽井沢の業者に向かうと言う過密スケジュールのため、打ち合わせに取れる時間も短く、
「別荘の湿気対策」とか、「寒冷地での断熱施工方法と気密の大切さ・・」などの話をイラストを描きながらも、かなり手短に説明しました。
普段はその後、プラン作成のための間取りなどの要望を聞き取りしているのですが、今回は細部までの聞き取りは時間が少なく無理だろうと思っていました。
でも一応要望を伺って見た所、Aさんからは「あまり大きな物はいらないので小さめの別荘で・・」とだけ・・・。(Aさん自身、この時点で間取りの事迄は考えが纏まってないようでした。)
そこで敷地状況を思い浮かべて考えた所、少し前にプランを作り、使わなくてハードディスクに入れておいたプラン(このホームページでは紹介してませんが、少し前に古くなった別荘の、かなり大がかりな補修改修工事があったのですが、そこそこ金額がかさむので、併せて別荘の新築も提案しました。結局金額の面で折り合わず新築案は没になったのですが、新築案はコンパクトながら狭く感じないよう、上手く纏まったので結構気に入っていたプランでした。)の玄関方向を変え、ベランダの大きさや窓の位置を敷地に合わせて修正すれば使えそうだと思い、その場でプリントして修正と説明をした所、あっさり気に入ってもらい、これでOKと言う事に・・・。 結局、その日は次のスケジュール。
後日、要望連絡であった、薪ストーブと玄関納戸を追加したプランの修正と、正確な敷地状況(岩や樹木の位置等も・・)を調べた上で、建物配置やベランダ位置を落とし込んでプランが完成しました。
尚、その後、これを元に見積書を提出した少し後に、正式に別荘建築依頼を頂きました。
□ 建築・完成
A邸の実際の施工開始は、真冬の着工となってしまいましたが、積雪なども例年並だったため、何とか5月連休に間に合わす事が出来ました。
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■ 外観 |
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南面の様子
今回の敷地は、国立公園内なので、敷地面積が1000㎡(300坪)を超える程広い。
しかし、地形が平らな部分も少なく、また浅間の噴石岩(公園法上、なるべく現状維持・・・とあるが、それ以上に形が良い自然の浅間岩は貴重なので、出来るだけ壊したくないと思った。)もあるので、それを避けつつ、居間やウッドデッキからの眺望に生かした建物配置とデッキ形状になるよう配慮した・・・。 (ウッドデッキは外部でバーベキューなどする際、テーブル等を配置してを楽しめる程度の広さは必要だと思っている。 なので今回の場合、岩を避けた事で幅が少ない分、奥行きでカバーしてある)
尚、デッキ木材はいつものように杉材を加工後、加圧注入防腐加工した後、
塗装し、ステンレスビスで組み付けとして、手摺中央は岩が見えやすいようスチールワイヤー張りとした。
尚、その他の外部仕上げ材下記の通り。
外壁 : 窯業系サイディング貼り
外壁一部 : 杉赤み材羽目板ノンロッド塗装
柱、破風板 : 杉材ノンロッド塗装
軒天井 : 大平板 OP塗装
屋根 : ガルバニウム鋼板縦桟葺
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南東面の様子
北西面(玄関側)の様子
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■ 玄関・居間 |
居間から玄関側を見た様子。
階段はデザイン重視でOPEN階段
居間から北西側を見た様子。
普段は、居間と繋がる1F・2Fの個室のL字型の仕切り戸を開ける事で開放感のあるプラン。
尚、下側の写真は個室としての使用時の仕切り戸を閉めた状態。
OPEN階段下の一部出っ張った部分は洗面室側からの洗濯機等を収納するスペース。
階段幅の残りは、上部に固定飾り棚・下部に暖房機(温水式ルームヒーター)置とした。
Aさんから玄関納戸の要望があったので、外から玄関ドアを開けた
玄関ホール正面側に、小さめだが納戸を設けた。
尚、スノーボード乾燥室としても使用するため、
壁左側にスノーボードを立て掛けた時の滑り止め桟も取付た。
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写真のシャンデリア照明はAさんがアンティークショップで買い求めた支給品。
当初の提案では、特に要望も無かったので、いつものようなモダンなデザインのプランだったが、
このシャンデリア照明や購入家具のデザインや色を見てから
Aさんの好みとが建物内部の枠や梁・階段の色を中間色系に変更。
クロス・タイルのカラーも統一感を持たせ、他の照明器具類なども、色やデザインが
調和するような製品に選び直した。
和室側から見た食堂を含めた居間全景
玄関ホールからキッチンと食堂側を見た様子。
梁の上のスポット照明は、支給品のシャンデリアの光源だけでは照度不足だろうと思ったので
2灯タイプの明るい物を取付。 まぶしく無いよう天井面に反射させる間接照明とした。
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■ キッチン |
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キッチンと対面収納はLIXIL製キッチンを採用
尚、対面収納部分のカウンター天板と窓前の棚は、
タモ集成材による現場制作とした。
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コンロにはいつもの通りIHグリルを採用。
また、料理好きの奥さんの意向で電気式オーブンも設置。
尚、オーブンで金額UPするため、最近よく使うオープンキッチンタイプのレンジフードを取りやめ
コンロ前に壁を設置し、金額的に手頃で一般的なシロッコファンレンジフードとなった。
キッチン脇の開口のドアはウッドデッキに繋がっているので
屋外でのバーベキューなどの時には、このドアから食材などを運び出すのに便利。
キッチン壁は150角タイル貼り。
ポイントにガラスタイル(ペン)を2段入れてみた
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■ 1階和室 |
窓下にあるのが、暖房機(温水式のパネルヒーター)
左側建具の奥は布団を収納してある押し入れと
クロゼットスペースになっている。
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入り口間仕切りの引戸を開けた様子
コーナーの柱が無くした事で、居間との繋がりが良くなる。
和室窓内側には断熱性の高いハニカムサーモスクリーンを取付。
上に引き上げ収納すれば景色の邪魔もしないし、
微妙に光を通すので、障子のような感じで和室に良く合う。
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■ 階段・2階ロフト |
居間から階段を見上げた様子。
フライファンは全体の統一感を考えグレー色
階段吹き抜け上部の窓は、夏の熱気抜きが出来るよう
チェーン開閉機能付になっている
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2F北面にある多目的に使えるロフト。 来客時に寝室が足りない場合、
予備の寝室としても使えるよう、寝具物入付。
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■ 2階洋室 |
2階洋室を入り口側から見た様子。
窓下に温水パネルヒーターの暖房。
写真上のように角柱側に向けて、
両方から戸を閉めれば6畳の独立した個室となる。
尚、写真下のように出入り口側の引き戸は
出入りに楽なように1レール2枚戸構成。
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開口が広く取っているので、戸を開ければ解放感があるロフトのような部屋になる
尚、南面方向の引き戸は2本引き違い戸になっている。
ちなみに写真上は、引き戸を2本共、角柱反対側に寄せた状態だが
引き戸を2本共、角柱側に寄せると、写真下のように寝具入納戸が現れる。、
開口を開け、洋室側から吹き抜け下側を見た様子
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■ トイレ |
■ 洗面 |
トイレはINAXのタンクレス便器サティス
床奥のガラリは、水道凍結防止用の蓄熱暖房熱を
室内暖房に利用出来るようにするための放熱ガラリ。
今回も、トイレの手洗カウンターと上部にトイレットペーパ等を
収納出来る鏡付物入れは、規格品を使わず製作した。
尚、トイレの照明は鏡付物入の上下にミニクリプトンライトを付け
間接照明とした。
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洗面所はナラのカウンターに陶器洗面器を取付。
今回も、カウンターの下側は水道凍結防止システムの
熱源と給湯ボイラーを収納するスペースとした。
(詳しい解説は冬の凍結防止対策で・・。)
洗面反対面の折れ戸を開くと、階段下スペースを生かした
洗濯機スペースと物入れになっている。
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断熱データー
屋根断熱 高性能グラスウール16kg品150mm 壁断熱 高性能グラスウール16kg品100mm 床断熱 押し出し発砲ポリスチレン3種40mm
窓 シャノンプラスチックサッシ ・YKKアルミ+樹脂複合サッシ ガラス12mmペア ドア 木製建具工製作 押し出し発砲ポリスチレン断熱材30mm挟み込み
暖房機器 コロナ灯油式温水暖房システム (ルームヒーター 1台・パネルヒーター2台) 薪ストーブ ハースストーン シェルバーン(外気導入キット付) 1台
深夜電力利用蓄熱暖房機 ユニデール2KW品(洗面床下暖房及び水抜き不要システムを兼用)
換気 3種セントラル換気 日本住環境ルフロ400
住宅住宅瑕疵保険加入会社 ハウスジーメン
■ 冬の凍結防止対策
お問い合わせのはこちらから (^-^)
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